書評

【書評】世界のエリートがやっている 最高の休息法

世界のエリートがやっている 最高の休息法
     
       

 

 

最近寝ても疲れがとれない、机に向かってもすぐに学習を進めることができないなど、時間を浪費していると感じていた矢先、本書「世界のエリートがやっている 最高の休息法」を見つけ、自分にとってとても良本だったのでご紹介させていただきます。

 

 

本書に掲載されている内容

「世界のエリートがやっている 最高の休息法」では主にマインドフルネスについて解説された本です。マインドフルネスは日本では瞑想・座禅というかたちで知られていますが、それを実施したあとの効果や科学的根拠についてはリラックス効果がある程度にしか認識されていないと思います。

本書では本の冒頭から科学的根拠を端的にまとめて紹介されているのでその部分だけでもとてもためになります。

 

本記事でもその冒頭に記載されているマインドフルネスの効果、方法・事例についてまとめてご紹介いたします。

そのあとの章からはその科学的根拠を物語と組み合わせて紹介されており、エピソード記憶としても残りやすいかたちで構成がされています。科学的エビデンスまで知りたい方はぜひご購入して読んでいただけたら嬉しいです。

 

マインドフルネスの生い立ち

マインドフルネスと瞑想・座禅については混同して考えられやすいですが、発展していった経緯は似て非なるものです。具体的には日本の瞑想・座禅は宗教の中で文化が発展しましたが、そこから海外持ち帰られ、宗教と分離しマインドフルネスとして確立しました。

そのため、日本では宗教的に捉えられがちですが、海外の人にとっては休息法に発展したと意訳すると本書では紹介されております。

 

マインドフルネスの効果

本書に書かれている効果を端的に下記に列挙します。

  • 休息法でリフレッシュとして一般的にバカンスだったり、ショッピングが考えられているが脳は殆ど休まらない
  • 脳の疲労は蓄積していって精神的に辛くなっていく
  • 脳にはアイドリング状態(デフォルト・モード・ネットワーク:DMN)が存在し、疲労し続けるようになっている
  • 北米ではうつ病患者に投薬ではなく、マインドフルネスなどの療法が進められている
  • 脳は疲れにくい状態に作り変えることが可能

 上記に書いている内容で一つでも気になった方に是非本記事を最後まで読み進めていただけますと嬉しいです。

 

マインドフルネスを取り込んでいる企業と著名人

アメリカでは既に科学的根拠を理解した上で大手企業が企業制度として取り込んでいたり、実践されていたりします。本書で記載されている企業や著名人を書きに列記します。

  • スティーブ・ジョブズ
  • Apple   - iPhoneのヘルスアプリに組み込まれています
  • Google  - SIY(Search inside yourself)という研修が実施されている
  • Twitter  - Twitter社のCEOが実践
  • Salesforce - SFA最大手企業。CEOが実践
  • LinkedIn - LinkedIn社のCEOが実践
  • cisco   - ネットワーク機器米国大手企業
  • patagonia  - アウトドアアパレル

これだけのナショナル企業が実践されているマインドフルネスは本当の意味ので脳の休息になりえると私も考えております。

それでは具体的にどうやってマインドフルネスを実践していくのかについてご紹介をしてきます。

 

マインドフルネスによる7つのメソッド

1.マインドフルネス呼吸法

 

脳がとにかく疲労している時は、注意散漫となったりイライラしたりと集中ができないことが誰しもあると思います。

そういった時に考えていることは基本、過去や未来に意識が向いていることが原因になります。

解決策として今現在に意識をむけることで疲れづらい脳をつくることができます。

 

①基本姿勢をとる

椅子に軽く座り、背筋を伸ばし、背もたれから少し離れ、手は太ももにおき、足を組まず、目を閉じて座ります。

 

②体の感覚に意識を向ける

足の裏が床に触れている感覚や、手が太ももに触れている感触などに意識を向けどんな状態なのかを認識してきます。

 

③呼吸に注意をむける

深呼吸等は特に不要なのですが、呼吸を行ったことによる胸、お腹が膨らむ上下の間隔や吐く息のスピード・温度に意識をむけます。また呼吸の吸って吐く秒数を数えてラベリング※をすることも効果的だそうです。

※ラベリング:行為や思いなどに名前をつける意味

 

④雑念が浮かんだら意識がそれたことの事実を認識、再度呼吸に意識を戻す

雑念が浮かんでくることは当たり前なので、自分を責めず許してあげて呼吸に戻すようにします。

 

 

2.ムーブメント瞑想

 

現代の仕事はマルチタスク型にどんどん変化していってます。そんな中色々ことを考えなきゃならない状態が続くと脳の自動運転状態(デフォルト・モード・ネットワーク:DMN)が続き疲労していきます。

また自動運転状態の場合、雑念が湧きやすい状態になってしまいます。こういった状態が続くと注意力散漫、集中力が持続しない状態が続き、負の連鎖に繋がります。

Googleの研修でSIY(Search Inside Yourself) という最新脳科学からリーダーシップ・パフォーマンス向上のプログラムものがあり、その中にもムーブメント瞑想が研修に組み込まれています。

それでは具体的な方法を紹介してきます。

 

①歩行瞑想

歩いている最中に筋肉や足の裏が地べたに触れている感覚に意識を集中する。また自分の動きに対して「左足を前に出す」「踏み込むなど」の行動に対してのラベリングすることでより今に意識を集中することができるそうです。

 

②立ったまま瞑想

足を肩幅まで広げて、両腕をゆっくり上げたり下げたりする。その際に両腕の血液が下がってくる感覚、筋肉の感覚に意識を向けます。

 

③座ったまま瞑想

椅子に座った状態でゆっくり両肩を回します。その際に筋肉の動きや関節の感覚に注意を向けます。

 

その他 日常生活での瞑想

ご飯を食べている時、歯磨きをしている時、家事をしている時に今の自分がどのような状態でどんな感覚なのかに意識を向けます。

 

 

3.ブリージングスペース

 

脳の疲労は慢性化するとだんだんと体に影響してきます。疲労、だるさにどんどん繋がるため、疲れにくい脳を作っていくことが重要。脳は可塑性※をなので瞑想をしていくことで疲れにくくすることができる。

※可塑性:脳の場合よく使う働きを高めたり、逆に使わない部分を衰えさせたりするように常に変化していきます。

 

①ストレスの影響に気がつく

マインドフルネスの姿勢をとり、ストレスの原因になっていることを一つの文章にします。その文章を心の中で復唱したときに心と体にどのような反応をしているかを認識する。

 

②呼吸に意識を集中する

呼吸に意識を向け、呼吸にラベリングを行います。その後、体がリラックスしていることを感じそれを繰り返します。

 

③体全体に意識を向ける

呼吸を体全体で行うように意識する。ストレスを感じた時に反応した部位が呼吸をすることにどんどん和らいでいくことを感じるようイメージします。

 

 

4.思考のループから脱する

 

本書では繰り返し考えてしまう雑念を猿と例え、モンキーマインドと呼称してます。

この雑念を繰り返し考えてしまうことで膨大に脳へ疲労感を与えることにつながるため、そのようにならないよう雑念を取っ払う方法を紹介してきます。

解消法として、ループする雑念に名前をつけることで繰り返し辛くなる

 

①雑念にラベリングをする

ラベリングをすることで何度も考えた事実に気がつき、時間を浪費していることに気がつくことが第一ステップになります。

 

②例外を考えるようにする

何度も雑念が繰り返されているのは考えている前提が同様の可能性があります。そのため、例外になる条件は何なのかを考え、湧き上がってくる雑念に当てはまらない前提を置いて雑念に対処します。

 

③尊敬する人の視点で考える

偉人や自分が尊敬している人ならどのようにこの雑念に対して考えるのか、対処するのかを考えます。

 

④良し悪しで考えることをやめる

今現在の自分以外の状態で雑念の物事を判断していないかを考え、判断しないことを意識する。ノンジャッジメンタルと本書では紹介されてます。

 

⑤由来を発見する

雑念の基となっている原因の探索、自分の潜在願望から雑念の由来を探り対処します。

 

 

5.憤りに対応する

 

扁桃体が暴走すると怒りにまかせ理性を失います。

通常だと理性に該当する前頭葉がそれを抑えるような働きするのですが、疲れている脳だとそれができなるため、両者がフラットな働きをする脳構造を作っていく必要があります。

本書では怒りに対応する方法としてRAINで対応すると紹介がされてます。

 

①Recognize 認める 

自分が怒っていることに気がつけるようにします。

 

②Accept 受け入れる 

認識できたあと、自分の中に怒りがおきている事実を受け入れて許します。

 

③Investigate 検証する 

怒ったときに自分の心と体の変化に注目し、何がおきているか検証します。

 

④ Non identification 自分を同一視しない

怒りを自分ごととして捉えない。怒りを他人事して捉えることが重要になります。また目的意識が強いと怒りを覚えやすくなるそうです。

 

 

6.他人へのマイナス感情を対処する

 

脳の疲れを解消するには前向きな感情を育てることが大事になります。

誰にでも嫌いな人がいるとおもいますが、ストレスの大半は人間関係からくるので人間関係で疲れている方は是非読んでいただきたい部分になります。

 

①マインドフルな意識状態を思い出す

通常のマインドフルネス瞑想を10分続け落ち着かせます。

 

②ストレスの元凶となっている人を思い浮かべる

ストレスになっている人を思い出し、体・心の動きに意識をむけ、どんな反応をおこしたのかを客観視します。

 

③心の中でフレーズを唱える

ストレスになっている人のことを思い浮かべ、ポジティブに慈愛するフレーズを心の中で唱えます。その人が幸せでありますように、その人が健康でありますようになど、とにかく好きな人に伝えるような内容を心の中で唱えます。

これをメッタプログラムと言い、UCLAでも実践がされております。またメッタプログラムは自動運転状態(デフォルト・モード・ネットワーク:DMN)の過剰活動に対してとても効果がある方法になります。

 

 

7.ボディスキャン

 

体に痛み、違和感があるとき脳からリフレッシュすることができるようになります。結局痛みは脳が感じているに過ぎないため、痛みに強い脳をつくることもできるのだそうです。

また脳が疲れていると体に対して違和感や疲労感を感じやすくなるため、何回も先述しておりますが、脳構造を作り変えることが重要になります。

 

①横たわって呼吸に注意を向ける ※座ってでもOK

呼吸によるお腹の上下などに意識を向けます。

 

②左足爪先に注意を向ける

足が靴下、くつに触れる感覚、足の指が隣の指に触れる感覚に注意を向けます。

 

③体をスキャン

左足爪先に注意を向け、呼吸を吸うごとに左足爪先に空気が吹き込まれるイメージをします。また吐く時、左足爪先から空気が体を通って外に出ていくようなイメージで徐々に体をスキャンしていきます。

左足が終わったら太もも、左右の手も同様に、一通り全身で行います。

 

 

まとめ

7つのマインドフルネスの方法を記載いたしましたが、いかがだったでしょうか。

私がマインドフルネスに興味を抱いたきっかけが新卒で入った会社で瞑想を朝礼の時に実施していたことがきっかけでした。当時は無駄な時間だからさっさとタスクをこなしたい一心で、ただただ座って15分待つだけの時間でした。

それから月日が経って仕事の積み重ねにより、業務外に勉強やプログラミングをやろうと思っても手につかず、どうしたらやる気がでるのか・なんで退勤後に意思がもたないんだろうと考え、続けられない自分にまた嫌悪する日々を過ごしていた矢先に本書を見つけました。

もちろん志、半ばという辛辣な意見も聞こえてきそうですが、実際に本気で瞑想を1日15分行い、継続することで頭がスッキリしだした感覚を覚え今継続して実践しております。※やり始めてから3週間突入しました。

本書を読んだプラシーボ効果かもしれませんが、何事に本気で取り組み・効果が顕著見られないようであれば辞めることもできるため、気になった方は是非本書を読んでみてください。

 

  

  

  

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